退団対談 〜竹井亮介さんと振り返る、あの頃〜

2021年4月27日火曜日

BHL 永井幸子

3月末日、都内某所。竹井亮介さんにお越し頂き、永井希望の「思い出対談」を行いました。ブルドッキングヘッドロックには過去に3回出演して頂き、大変お世話になった竹井さん。タイトルは、「退団と対談、似てるね」っていう竹井さんのLINEから!



永井 よろしくお願いします。お久しぶりです。
 
竹井 お久しぶりです。

永井 最初に説明いたしますと、私ですね、4月末に劇団を退団することになりまして。その前に…振り返りたいなと思いまして私の20年間を。

竹井 はい。

永井 劇団の仲間と振り返るのももちろんいいんですが、ボリューム的にちょっと大変なことになると思ったので、ある程度外から客観的に、しかも…結構長い期間私たちと関わってくださっている竹井さんと、対談というか…思い出話を!一緒にしたいなぁと思ってお願いした次第です。

竹井 そうですねざっくばらんに。

永井 ざっくばらんに!よろしくお願いします。

〜公演をご覧になった方は公演を思い出しながら。そうでない方も、「そんな事があったんだなあ」と思って写真を見て貰えたら幸いです。

2009年のこと


永井 最初に出て頂いたのが『ケモノミチ』で、2009年の作品ですね。


竹井 そんなに前の事だとは。

永井 12年前ですね。私が竹井さんのお母さんという役柄で。竹井さんがスッと…その役として接してくれたからなのかなあ、あの時は不思議と、何の違和感もなくその役になっていける感じがね…ありました。

竹井 血が繋がってない、継母ですよね。

永井 そうそう。

竹井 僕がやった役のお父さんと再婚して。

永井 そうですそうです、後妻で、小さな宿の女将になって。そしてお父さんが亡くなって、おばあちゃんが病気で(舞台には)出てこないんだけど、ずっとお世話をしてるという設定です。

竹井 だから…サチンさんの役は置かれている状況が結構大変というのがあって。おばあちゃんは別の部屋にいて、用事があるとブザーでビーっと呼び出されたりして。

永井 そうそう。

竹井 多分きっと劇団員だから、劇団の仕事も色々あったと思うし、疲れ…てたのかなあ?それがいい具合にお母さんっていう感じになって。

永井 私が?リアルに疲れてた?(爆笑)

竹井 わかんないけど、いやもちろん演技だと思うけど(笑)いい具合にお母さん感があって。

永井 スッと役になれると思ったら(笑)

竹井 僕の役は血が繋がっていない関係だけど、長く親子関係を続けるうちに…多分最終的には、守ってあげなきゃみたいな気持ちがあったんですよ。だからなんか…いい具合にお母さんで。

永井 また子供が竹井さんと、川村紗也ちゃんと西山(宏幸)君だったのもあって、親子関係がとても楽しかったですね…。

竹井 あれは…楽しかったですね。僕、お客さんとして見る時も家族を描いてるものって好きなんですよね。だから、「こういうの出来て嬉しいな」という気持ちはあった。

永井 だいぶ訳アリの家族なんですけどね。西山くんは私の実の息子なんだけど、昔事件を起こして同級生を殺してしまったことがあるという…。実の息子が東京から久しぶりに帰ってきて、義理の息子である竹井さんと対面するシーンは、味わい深かったですね。

竹井 味わい深かったですね。ちょうど帰ってきてすぐ「ビール運ぶの手伝うよ」みたいなシーンがあって。

永井 私が持ってたケースを実の息子が運んでくれるんですね。

竹井 僕は一応、宿を切り盛りしてるわけじゃないですか。急に…久しぶりに帰ってきて、なんか自分がやるよみたいなのに、ちょっとイラッとした記憶がありますね。もちろん役として(笑)


竹井 僕ね、「ケモノミチ」はちょっと特別な感じがあって。

永井 なんでなんで?

竹井 獣道を歩んでいたのはもしかしたらサチンさんの演じるお母さんだったかもしれないけど…何というか…ちゆきちゃん(深澤千有紀さん)のおばさんに怒ったり、妻のゆりちゃん(川上友里さん)とケンカしたり…家にいると色々あるよねっていう、家族のいろんな感情をやれたような気がしていて。よっちゃん(藤原よしこさん)とか、猫の役だったりしてね。

永井 そうそう、よしこが猫だった。今思い出してもすごい演出ですね。

竹井 ゆりちゃんとケンカをした後に、家にあがると猫がいて。よっちゃんは後ろ向いてて顔はお客さんから見えないんだけど、泣いてくれてて。「ケンカして悲しい」って。

永井 えー。見えないところで。

竹井 そういうのも…断片的なんだけど強く思い出したり。

永井 確かに私も特別かもしれない。家族のお話だから、共感したり理解できる部分がたくさんありましたね。

竹井 だからさっきも言ったけど、若い頃は継母に対して違う感情があったかもしれないけど、二人で宿を切り盛りしていくうちに…介護のこととか、口うるさいちゆきちゃんのおばさんがいたりとか、

永井 ちゆきちゃんのおばさんって言い方おかしい(笑)

竹井 で、同情というのとは違うと思うけど…やっぱ最後は、守らなきゃって。だから怒るんですよちゆきちゃんのおばさんに。

永井 うん怒ってくれてた。でもちゆきちゃんのおばさんの言い分もまあ分かるんですよね。私の役は余所者なのに家を継いで。にこにこしながら実は図太いっていう。




永井 私がすごく印象的だったのは、妻であるゆりちゃんの男友達として岡山君が登場するんだけど、竹井さんの役が嫉妬をするんですよ。竹井さんがやるから、それがすごく愛らしくて。応援したくなる感じで。

竹井 ゆりちゃんが雨の中どっか行っちゃって。それで、岡山君が見つけて…お姫様抱っこして帰ってくるんだよね!

永井 そうそう!

竹井 それはもう…腹が立つよね(笑)


永井 この宿は二階建ての構造で、泊まりに来た客メインの、二階で起こる出来事も盛り沢山でしたね。ボランティアの学生とか。

竹井 謎のカップルとか。

永井 謎の…だいぶ訳ありのカップルとか。

竹井 二階で西山君の役が起こした殺人事件の回想シーンがあったり。

永井 すごい、盛りだくさんな物語だなあ。

竹井 何年か前に、自分の怒っている映像の資料が欲しくて、『ケモノミチ』で怒ってたなと思って、事務所でちょっと見てたんですよ。…これは名作だなあと思って。

永井 あらためて(笑)

竹井 もちろん自分のところは反省するところはありますけど、名作だなって。


永井 喜安さんの役がまた特殊な役で、後半に長い独白をね、するんですよ。私は稽古中に、それを聞いてたらなぜか急に泣けてきたことを覚えてますね。

竹井 事件の、被害者の家族なんだよね。

永井 そう。それで、加害者の妹と自分が結婚することで、罪を許そうとする、という。

竹井 ちょっと…適切でない言葉を使うと、気狂いじみてますよね。

永井 そうなんですよ(笑)

竹井 あ、今チラシを見たら、「僕たちの毎日は吹き飛ばされたー。」って書いてあって、当時はここに着目してなかったんだけど、今見ると、あーっていう感じがありますね。具体的に言えないけど。

永井 具体的に言えなかった(笑)

竹井 まあその冒頭で…怪獣が現れたことで日常が吹き飛ばされた人たちや、喜安君の役からしたら、家族が殺されたっていうのも入ってるだろうし。

永井 ですね。怪獣と言えばこのお芝居、冒頭とそれ以降がちょっと別のお芝居みたいですよね。

竹井 そうね。

永井 冒頭は特撮の…怪獣の破壊シーンみたいに始まって、チラシも赤地に黄色の文字で、昔の…ウルトラマンのような感じで。

竹井 ほんとだ。

永井 まさかこんな…田舎の旅館の愛憎劇だとは。


永井 おじさんたちも面白かったですね。バイシ(篠原トオル)とか寺井君(寺井義貴)とか。加瀬澤拓未さんがまた。

竹井 大変な状況の中で、食べたり寝ることだったり、性欲だったり…それが「生きること」とであって。で、性欲を担当してたのが、加瀬澤君。

永井 わははは。

竹井 最後サチンさんに迫るっていうね。「いばらの〜道を〜」とか言いながら。

永井 すごくいい話をしながら手を握ってくるという。

竹井 いばらの道って聞くとそれを思い出す。

永井 わははは。

最近カメラにハマった私の為に、モデルになってくれた可愛い竹井さん2021。

2011年のこと


永井 次に出ていただいたのはその2年後、『毒と微笑み』です。


竹井 そうですね。

永井 これもまた…ひと言で言うのが難しい物語で。

竹井 いろんなブロックに分かれててね。

永井 喜安さんが売れっ子の芸人で。芸人に憧れる学生たちがいて、私はその学校の先生で。竹井さんは喜安さんと一緒にトリオを組んでいる、芸人さんでしたね。

竹井 そうね。喜安君と加瀬澤君と三人で。

永井 また加瀬澤さん!竹井さんと加瀬澤さんと喜安さんのトリオ!

竹井 途中すごく毒々しいネタをやるんだけど、上半身裸で、ふわふわの被り物かぶって。

永井 「ポイズンちゃん」という羊的なキャラクターですね。

竹井 そのシーンの写真を後で見せてもらった時に、自分の中で「これいいな」と思っちゃって。アイコンにしていいですか?って頼んで、今、インスタのアイコンがそれなんですよ。

永井 ウソー!(笑)



竹井 ほんとに、ブルはねえ、よく脱がされるんですよ。

永井 そうだ!『ケモノミチ』でも脱いでましたね。

竹井 そう。前半ずっと上半身裸で(笑)

永井 ヌギ・プロダクションと言う架空の事務所が生まれました。ヌギ・プロ所属の方でしたね(笑)

竹井 そうです。

永井 ネタのシーン、私は無責任に稽古場で笑ってました。皆さん上手いから。

竹井 でも…正解が全然分からなくて(笑)

永井 ネタがブラック過ぎて(笑)『毒と微笑み』の毒の部分が。


竹井 芸人以外にも別の役をやってて…軍人たちのシーンがあって、そこに…サチンさんが将軍の役で出てて。

永井 そうそう。座組みの男性陣が軍人として勢揃いする中、最後に登場する将軍が私っていう。おじいちゃん。

竹井 おじいちゃん。

竹井 おじいちゃんだけど、将軍だからみんなビビってる。

永井 途中、将軍寝ちゃったりとかして。私はブルの中で、おばあちゃんとか子供とか…特殊なキャラクターをたくさん貰ったんですけど…将軍もお気に入りのキャラクターのひとつです。

竹井 手の平を表に向けてやる敬礼でしたね。

永井 そうそう、ちょっと変な敬礼。あの頃の、なんとも言えない演出が…すごいですね(笑)

竹井 これもまた… 喜安君がちょっと気狂いじみた役で。

永井 これ、日本じゃないどこか…西洋的な世界観じゃないですか。ちょっとファンタジーというか。それなのに喜安さんの演じる芸人は、日本の…昔気質な芸人さんで。

竹井 俺も、扇子とか持ってたな。だからちょっと浅草的な。

永井 そうそう!浅草演芸場的な。不思議な世界観。

竹井 最後の方に喜安君と加瀬澤君の二人が話すシーンがあって。それを袖で見ててグッときた瞬間があって…「俺たちいいトリオになったなあ」って(笑)

永井 三人で話すシーンじゃないんだ(笑)

竹井 じゃないの。喜安君の役はちょっと捻くれてるんだけど、その時は肩の力が抜けて…愛情が見えて、昔に戻ったみたいな感じで。いいシーンだったの。

永井 寺井君が、笑いの弟子入りをするんですよね。果たしてユーモアで悲しみを乗り越えられるのかっていう…。エピソードがいっぱいで、話しきれないなあ。

2014年のこと


永井 『おい、キミ失格!』は最近だと思ったけど、7年前ですね。

竹井 三鷹の星のホールには何度か出てるんだけど、あの使い方は初めてで。後にも先にも無いんじゃないかなっていう。通常の舞台面に客席を組んで。最終的には…壁が動くっていう。

永井 舞台が…広がりましたもんね。

竹井 すごい、とにかく…運動しましたね(笑)

永井 運動しました(笑)

竹井 登場からピッピッて笛の音に合わせて…運動の感じで入ってくる。

永井 全員衣装がもう、運動の感じで。

竹井 サッカーの審判みたいな。黒の上下で。

永井 ハイソックスに運動靴で。ラストシーンとか走りっぱなしで。…キツかったなあ…こんなに演劇って身体を使うんだあって(笑)

竹井 ね。

永井 この作品は観劇三昧さんで無料で観ることができまして、太宰治を扱っていることもあり、たくさんの方が観てくださっている作品です。

竹井 これもまた、オムニバスっぽいつくりですよね。

永井 この時は私は竹井さんの娘で。

竹井 そうね、チコちゃんね。ブルではお馴染みの。

永井 この時はですね…私はちょっと苦労した記憶があります。笑いのシーンが多くて、テンポとか…テクニカルなことが必要で、「笑いとは」みたいなことを考えてました。竹井さんや成さん(川本成さん)を見ながら。

竹井 …途中、僕と森谷ふみちゃんの不倫のシーンがあって。僕は親族代表というコントのグループにいて、そこで故林広志さんが書いたコントをやっていたんだけど、それにちょっと構造が似ている会話の感じとかがあって。だから…変なプレッシャーを感じながらやってましたね(笑)

永井 えー。

竹井 森谷さんも故林広志さんのコントをやってた人だから、共通言語があって。

永井 稽古場でおふたりがよく打ち合わせしてるのを見てました。面白かったなあ。

竹井 あと、成君のいい意味で…軽薄な感じ。軽妙で…言葉はアレだけどやっぱり軽薄な感じが面白くて。あんまり役者さんであの感じ出せる人いない気がして。…面白いなあと思ってました。軽やかだよね。

永井 うんうん。

竹井 最後の方に成君と二人で話すシーンがあって。客席からものすごく遠いところで、声を別に張るわけでもなく話すのがね、すごく面白くて。

永井 煙草を吸いながら、灰皿がちょうどマイクスタンドみたいでね。飄々としてて。


永井 このお芝居、岡山誠と鳴海由莉と二見香帆による前説から始まるんですよ。

竹井 そうだったね。

永井 観劇三昧だと最初の3分がお試しで観られるんですね。最初の3分はずっと彼らの前説です。

竹井 新人さんがたくさん入った時期なんだよね。

永井 そうですね。チラシのクレジットに(新人)って書いてある!

竹井 葛堂ちゃん(葛堂里奈)が僕の奥さんの役で。酷いことことしたなあ。

永井 いや竹井さんが酷い訳じゃ。竹井さんの役が酷いことしただけで(笑)

竹井 そうだけど。さっき加瀬澤君が性欲担当みたいな話をしたけど、これに関しては僕がそういうとこあったんで。不倫もしてたし。

永井 ああ、たしかに。宇宙のシーンでは女性に囲まれて。

竹井 うら若き新人さんたちに。鳴海ちゃんとかすごく積極的に絡んでくれて。「もう失格になってもいいや」っていう気持ちでやってた(笑)

永井 わははは。竹井さんに「あなたを審判に任命する」みたいなお達しが来るところから物語が始まるので…竹井さんが物語の軸で。そこで竹井さんは「果たして自分には、人を失格にする資格があるのか。」と苦悩する訳なんですが…失格です失格!(笑)

永井 文豪たちが会議するシーンもありましたね。

竹井 あったね。
 
永井 …文豪の役ってどうでしたか。竹井さんは山本有三でしたよね。

竹井 いやなかなか出来ないから面白かったですよ。全員でメガネしてさ。

永井 うん。

竹井 実はこの時にさ…公演中に誕生日を迎えたんですね。で、その日もしかしたら座組みのみんなでお祝いとかしてくれるんじゃないかっていう予想をしてたんだけど。マチネとソワレの間とかかなあ、みたいな。で、だからって訳じゃないけど…マチネの文豪会議の時に、メガネをし忘れて。

永井 わあ!

竹井 直前に気づいたんだけど、もう楽屋まで取りに行く時間が無くて。

永井 そのまま出たんだ。

竹井 そう。流石の喜安君も、「先輩、やってくれましたねえ」って(笑)

永井 誕生日なのに、怒られて(笑)

竹井 その後、マチソワの間にはケーキ用意して貰って。もっと喜びたかったんだけどミスしちゃったから複雑で。それはほんと印象深く残ってます(笑)

永井 わははは。

竹井 あの、襖から出る直前に気づいた、あの焦った気持ちと共に覚えてます。

永井 わー!想像するだけで変な汗が。小道具忘れちゃったことに直前で気づく(笑)

竹井 このシーンの成君こそまさに、軽妙な感じで。文豪って重々しいイメージがあるけど、成君は全くそれをやらないんだよね。

永井 その軽やかな感じが、この…型式ばった会議の軽薄さ?を皮肉っている感じがして、面白かったです。

竹井 そうだね。

永井 みんな好きって言うんですよ。この文豪会議。

竹井 僕と岡山君がライバル関係で。ふたりで睨み合うみたいなシーンがあるんだけど、『ケモノミチ』の時のお返しを!とか思ってやりましたね。

永井 あの時の!何年越しの!(笑)


永井 基本的に群集劇だから、エピソードがいっぱいで話しきれないんですよね。客演さんも劇団員も、面白いことがいっぱいで。断片的に映像で記憶に残ってたり。バイシの宇宙のシーンとか。

竹井 あれはこだわって作ってたね。

永井 自転車で無重力を表現するっていう。よくわかんないけど(笑)

竹井 バカバカしいね(笑)

永井 体張ってるのが面白いですよね。私たちが目の前で全力で何かをやっている感じを面白がって貰った気がします。

竹井 全力で走ったしね。手を抜いてるのを隠す自信がないと思ったから。全力でやらないとバレると思って。

永井 演出家も全力で走るっていう。喜安さんがまた気狂いじみた役で(笑)

竹井 そうだったね(笑)

永井 生命維持装置の管丸出しで全力で走る…血気盛んな…

竹井 血気盛んなジジイだったね(笑)


永井 最後はチコちゃんがピンチのお父さんを助けるんですよ。

竹井 そうだったね。

永井 お父さんの敵である成さんの、失格エピソードを暴露するんです。日替わりで。「あのおっさん、トイレの後手を洗ってませんねん!」みたいな小さいけど失格なエピソードを。

竹井 そう。あなたは失格だって言われそうになるところを助けてくれるんだよね。そして赤いレッドカードの吹雪の中を全員で走る。

永井 そう。赤い紙吹雪の…レッドカードの中を。綺麗でしたね。


永井 この紙吹雪の中を全力で走るっていうのは、なんだろう、演劇やってるっていう喜びがありました。

竹井 あったね。

永井 この、目の前にいる役者が全力っていうのは、2019年にやった『芸術家入門の件』にもちょっと繋がっている気がしてます。チコちゃん出てくるし。チコちゃんが出てこれる作品と出てこれない作品があるんですよきっと。『ケモノミチ』には出てこれないし(笑)

そして2021年

竹井さんが撮ってくれた私2021。

永井 いやあいろいろ思い出しました。ありがとうございました。

竹井 やっぱりこの、今のこのご時世で…コロナだし。昔一緒にやった仲間と呑みながら、「昔はああだったね」とかいう機会が無いじゃないですか。

永井 そうなんですよ!

竹井 だから、とても今日は、いい時間でした。

永井 本当に!楽しかったですありがとうございました。ほんとにね、お酒を用意してね、呑みながらねえ、昔話をしたいんですが。ご時世的に難しく。

竹井 僕でもほんとに、ブルのことが好きなので。

永井 ちなみにどんなところが?

竹井 なんだろ、皆さん気遣いがすごくて、居心地がいいんだよね。シャイだったりして。それが、無理に話してくれているっていう感じがなくて。話してくれる時は、ああ、ほんとに話したいと思ってくれてるんだなって。

永井 ああ、たしかに、あんまり器用な感じでは無いのかも(笑)

竹井 だから、居心地がいいなあって。

永井 うふふ。ありがとうございます。ブルは今、『ケモノミチ』の頃からするとだいぶ時が流れて、ああ、新しくなっていくなっていう感じがあります。

竹井 まあ、そうだよね。僕たちも歳をとって、若い人にいろんなことを譲っていくっていうか、若い人がやる事を支えていくっていう、そういう立場になっていかんといかんという。

永井 そうなんですよね。また、時代も変わってきてますしね。


永井 長い間、ブルに関わってくださってありがとうございました。

竹井 こちらこそ、ありがとうございました。

永井 またどこかでご一緒できたらと思います。こんな時代になってしまったけど、落ち着いたら、また、呑みましょう!

竹井 是非。ゆっくり話しましょう。ブルの20年、本当に、お疲れさまでした。

永井 ありがとうございました!


竹井さんと一緒に、記憶を辿って思い出していくのはとても楽しいことでした。歩いた道を振り返ることが、一緒に歩いた人を思うことが、前進する糧になる気がしています。

余談ですが『ケモノミチ』『毒と微笑み』『おい、キミ失格!』は、こちらでDVD販売中です。また、『おい、キミ失格!』は観劇三昧さんで無料配信されています。この記事を書いている今、東京は3度目の緊急事態宣言が出され、なかなかな状況です。こんなご時世ですが、もし良かったら、自粛生活のお供にしてください!!


竹井さん、読んでくれた皆さん、ありがとうございました。
またいつか、どこかで。
永井幸子



竹井亮介さんプロフィール

1972年6月7日生まれ。早稲田大学にて演劇活動を始め、1999年、コントユニット『親族代表』結成。小林賢太郎演劇作品や、ファミリーマートのCM「ファミチキ先輩」シリーズの店長役など舞台・映像と多岐にわたり活躍中。近年の主な出演作は、映画『おしりたんてい テントウムシいせきの なぞ』映画『ライアー×ライアー』など。


About

2000年4月に旗揚げした劇団です。2020年に、20名のメンバーで、20周年を迎えます。ブル・BHLと略します。
20周年のささやかなおかしみを記録します。

ブルドッキングヘッドロック公式Twitter

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